武満 徹 Toru TAKEMITSU

 1930年、東京、文京区本郷に生まれる。ほとんど独学で作曲を学ぶ。作品はコンサート・ピースから電子音楽、映画音楽、舞台音楽、合唱曲、うたまで多岐に渡り、「タケミツ・トーン」と呼ばれた独特の清冽な響きは、世界中の演奏家、音楽ファンを魅了する。日本を代表する世界的な作曲家である。また1973年から1992年までおこなわれた「Music Today」の音楽監督や、1986年に始まった「サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ」を監修するなど、常に同時代の音楽に高い関心をもち、海外の優れた作曲家を日本に紹介した。名エッセイストとしても知られ、『音、沈黙と測りあえるほどに』『時間の園丁』(新潮社)など多数の著書がある。1996年、65歳で死去。2002年には全作品を網羅した『武満徹全集』(全5巻、CD58枚、小学館)が刊行され、2005年に完結した。

「北村太郎の詩劇と朗読」(2012年10月29日)

北村太郎 Taro KITAMURA

(1922年11月17日ー1992年10月26日)

東京生まれ。本名、松村文雄。戦前から詩誌「LEBAL」に参加し、1951年、鮎川信夫、田村隆一らと「荒地」を創刊、同人となる。1966年、第一詩集『北村太郎詩集』を上梓。1976年、詩集『眠りの祈り』で無限賞、1984年、『犬の時代』で芸術選奨文部大臣賞、1986年、『笑いの成功』で藤村記念歴程賞、1989年、『港の人』で読売文学賞を受賞。また、英米のミステリー、小説などを数多く翻訳した。近年『北村太郎を探して』(2004年)『光が射してくる』(2007年)などの刊行が続き、2008年、詩人の晩年を描いた『荒地の恋』(ねじめ正一著)も注目を集めた。2012年には『北村太郎の全詩篇』(詩篇340篇、詩劇1篇収載、別冊付き、飛鳥新社)が刊行された。